かけるかな

茶の間からポエム

25歳OL(一応)の現場デビュー 乃木坂46編

アイドルにはお金は落とさない、そう誓ったはずだった。

 

CDは買わない、コンサートには行かない、アイドル誌は買わない(ファッション誌、デザイン系雑誌はOK)、と線引きをしていた。

 

はずだった。

 

 

でも私の出自はロキノン厨だ。いい曲にはやっぱり「CDを買う」行為によってきちんと対価を支払いたいし、バンドがいい時だ、脂がのっている、と思えば、ライブに足を運んでおきたい。そうだ、たとえそれがバンドであれ、アイドルであれ、変わりはしないじゃないか。

 

2015年晩夏、乃木坂46の新曲として発表された「今、話したい誰かがいる」。

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ああ、いい曲だなと思った。CDを買ってもいいかなと思った。きっかけはただそれだけだ。CDを買うと握手会に参加できる。ならば行こうじゃないか。ただそれだけのことである。

 

しかし握手会には2種類あり、それによってCDの購入方法も変わってくるらしい。どうやら握手会のシステムは、初心者にはややこしい。そこでまず握手会についての勉強から始めることになった。

一つ目は、レコード店で初回限定盤を購入すると付属しているイベント参加券で参加できる「全国握手会」。二つ目は、fortune musicというサイトから握手をするメンバーと日程を指定して、握手券付きCDを購入(人気メンバーの場合は抽選となる)する「個別握手会」。

前者は、CDを購入すれば予約など必要なく、全国握手会が開催されるその日にイベント参加券を持っていけば握手ができるのだが、特に関東圏は、最近の乃木坂46の勢いがすさまじく、大変な混雑であるとの情報を得た。後者はCDの購入時に握手をするメンバーと日程を指定しておくので、遅刻さえしなければ確実に推しメンと握手ができるようだ。

以上の情報から、齋藤飛鳥さんや深川麻衣さん、秋元真夏さんらも好きだが、一番の推しメンである伊藤万理華さんの個別握手会に狙いを定めた。

 

あくまでも今回は、「今、話したい誰かがいる」が良曲だからCDを買うのであって、その特典が握手会に参加できるというだけだ。つまりは握手券のためにCDを購入するのではないから、CDの購入は1枚しか許されない。複数買いはロキノン厨の美学に反する。あいつらは基本的に、CDにお金を払う。その特典がライブの先行予約だったりする。今回はそれが握手会である、というだけだ。

 

そんな元ロキノン厨の意地で、伊藤万理華さんの個別握手券(11月29日第1部 於幕張メッセ)付きCDを1枚だけ購入した。

 

「今、話したい誰かがいる」シングルCDには、表題曲のほか「嫉妬の権利」「隙間」も収録されている。個別握手券付きCDは通常盤のみのようで、乃木坂46の売りでもある個人PVを収録したDVD付き初回限定盤を入手するには、レコード店で別途購入する必要がある。つまりは個別握手会への参加と、個人PVの視聴は、同時には叶わない。上手い商売だ。ちなみに伊藤万理華さんの個人PVは今回も良さそう(初回盤を買ってないので見れていない)。

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手元に届いた通常盤に収録された曲は、3曲とも良い曲だったし、CDを買うに値すると感じた。あとは握手会を待つだけだ……と思っていた。

 

握手券の券面には住所が印字されている。そして握手会当日は顔写真付き身分証明書を提示し、顔写真と名前、住所の照合をするとのこと。

 

あ、私、免許証の住所変えてない。

 

握手券に印字された住所と免許証の住所が違っていた。はじめての握手会ということもあって、怖気づいた私は、fortune musicに問い合わせた。Yahoo!知恵袋で同様の質問を検索もした。まあ何とかなりそうだ。握手会当日は、あらかじめ手続きをするのでインフォメーションに来るように、との指示があった。

 

今回、大学時代の先輩であるT氏とG氏とともに参加を決めた。T氏は松村沙友里さん、G氏は星野みなみさんの握手券をそれぞれ1枚所持している。当日は、私が少し早めに到着してインフォメーションでの手続きを済ませておき、一旦合流する流れとなった。

 

幕張メッセには、SUMMER SONICCOUNTDOWN JAPAN、今夏開催されたMIDNIGHT SONIC改めHOSTESS CLUB WEEKENDERなどでたびたび足を運んでいるので、迷うことはなかった。が、見慣れたゴテゴテした装飾などはなく、簡素な「幕張メッセ」の姿がそこにはあった。これは、オタクと思しき者たちについていけばなんとかなるだろうが、それがなければどこから入ればいいのか迷ってしまうな、そんな事を思った。

 

まずはセキュリティチェックを受ける。手荷物検査と、金属探知機での検査だ。女性専用レーンというものが用意されており、そこだけ混んでいなかったので、一応女性だったし、並んだ。行きしなに購入したミルクティーのペットボトルを「一口飲んでもらっていいですか」と言われたので飲んだ。変な液体じゃないかをチェックしているようだ。見てくれは一般人と自負しているので、何なく通過できた。

 

次はインフォメーションだ。数多のフェスでは「インフォメーション」というと仕切られたブースであることがほとんどだが、握手会では長テーブルが2つ並んでいるだけだった。そこで券面の住所と免許証の住所が違う旨を申告した。握手券にはスタンプが押され、手首にはリストバンドが巻かれた。なんとなくフェスに行ったような、得した気分になる。

 

セキュリティチェックを受けたT氏とG氏と合流し、いざ出陣。またここで会おう、そう誓ってそれぞれのレーンへと向かった。

 

伊藤万理華さんのレーンは完売していたけれど、意外とすんなり進んだ。まずレーン中腹で握手券と身分証明書を提示。その後、ブース手前で手荷物をカゴに入れ、握手券を回収される。隣のレーンの堀未央奈さんが見えた。かわいかった。

 

いよいよ私の番だ。1か月前から何を話そうか考えていた。たった5秒しかないのだもの。洋服の話と迷ったが、椎名林檎の話をすることに決めた。

 

以下、私が過ごした伊藤万理華さんとの5秒間である。

 

本当はどのアルバムが好きか聞こうと思っていたのだけど、そんな時間は全然無かった。でも万理華ちゃんが「どっちも見れるね!」ってニコニコしながら言ってくれたので、私は大晦日、必ず乃木坂46椎名林檎さんを見る。顔がびっくりするほど小さかったことしか記憶になくて、服も手の感触も覚えていない。5秒間の儚さを知った。

 

5秒間の戦を終えたT氏とG氏が言うには、「キャバクラとほぼ同じシステム」ということだ。確かに、好きなメンバーを指定して、お金を払えば払うほど、握手して会話できる時間が長くなる。天才的なビジネスだな、と思った。

 

「今度はやっぱりライブが見てみたいですね」、ご飯を食べつつ、そんな話をした。

 

握手会へ行ってわかったメリットは、推しメンを間近で見れること、目を見て会話できること、必ずレスポンスがもらえること、だろうか。ただ、あくまでも私にとっては、だが、このためにCDを何枚も購入することはしなくていいな、という気持ちだ。良い曲が出るなら、その特典として、幸せな5秒間をまた過ごしてみたい。